新聞営業ハンドブック

新聞営業ハンドブック2020を公開します!

新聞営業ハンドブック2020=第9章《転出・転入対策》

1 転出する方も大切な読者

2 転入にいち早く気付こう

1 転出する方も大切な読者

転出があるから転入がある

 年度替わりの3月、4月を中心に「転出」「転入」が多く発生します。新聞を読んでいるお客様が転出になると、「残念1部のマイナスだ」とネガティブな気持になってしまいがちです。しかし、転出を止めることは出来ません。考え方を切り替えて対応しましょう。

 

① 転出に必要な情報を確実に聞く

 転出の連絡は、電話や集金時に伝えられることが多いでしょう。その時、お客様からお聞きしなければならない情報がいくつかあります。

・ 転出日(引越す日)

  ・ 新聞を止める日(いつまで届けるのか)

  ・ 集金は、いつ伺えば良いのか

  ・ 引越先でも同じ新聞を読んでいただけるか

 

 以上については、最低限お聞きしましょう。集金額については、配達した日数に応じて異なります。お客様から尋ねられたら答えられるように普段から計算方法を熟知しておきましょう。

 「引越先でも同じ新聞を読んでいただけるか」をお聞きするのが、営業マン・レディーとして一番重要です。あなたの販売店ではマイナス1部ですが、転出先で読んでいただけるということであれば、転出先の販売店でプラス1部となり、新聞社としては±0部ということです。新聞社全体という大局的な視野に立った考えをしましょう。

 転出先でも同じ新聞を読んでいただくための対策を多くの新聞社が取っています。「移転キャンペーン」や「引越キャンペーン」などです。お客様にとって「自ら引越先の販売店に連絡する手間が無い」「引越した日からすぐに新聞が届く」「引越前と引越後のどちらかの販売店で1ヶ月分の購読料が支払える(※対応できない場合があります)」「配達や集金の希望を申し送りしてもらえる」「キャンペーン特典を受けられる」等々、お客様にとってメリットがあります。転出の連絡を受けたら、お客様にキャンペーンの内容を伝えて引越先でも同じ新聞を読んでいただけるように案内をしましょう。

 移転キャンペーンでは、転出時にお客様からお聞きする情報に加えて次ぎの情報も聞きましょう。

 お客様が転出するということは、あなたの管理する区域および販売店にとってマイナスです。しかし、あなたは、前述したように新聞社全体としてマイナスにならないように行動しなければならない立場です。引越先でも同じ新聞を読んでいただけるように、しっかりとお客様に働きかけましょう。残念ながら他店エリアへ転出されますが、大切なお客様であったことに間違いはありません。なにより、今まであなたの管理区域・販売店で新聞を読んでいただいていたことに感謝の気持をお客様に示しましょう。あなたが、感謝の気持を示す事で、きっとお客様は転出先でも同じ新聞を読んでくれることでしょう。

 どこかで転出が無ければ転入もあり得ません。あなたの管理区域にも転入はあります。そう考えて、転出にも適切に対応してください。

2 転入にいち早く気付こう

最初に声かけができるかがポイント

 転入してくる方を新聞の購読者にするには、いかに転入された方にいち早く購読のお願いが出来るかです。「新聞は○○新聞に決めている」と銘柄を変えないお客様は別ですが、それ以外のお客様は最初に営業をした新聞を選ぶ可能性が高いのです。他紙の営業より、先に転入してきたお客様に営業するためには、どうしたら良いでしょうか。

① 事前準備

 転入時期は、会社の人事異動や入社、大学への進学時期となる年度末から年度初め、つまり3月と4月に集中します。したがって、この時期に合わせて事前準備をして、転入に備える必要があります。

(1) 空家・空部屋を把握する

 新聞配達時、集金時、営業時、あいさつ訪問時に空家・空部屋に気が付いたらリストに情報を記入します。空家・空部屋リストには、以下のようなものがあります。

 空家・空部屋リストは販売店毎に異なるので、あなたのお店ではどのようなリストで管理しているかしっかり把握しておきましょう。

 代行配達をする人や他区域を管理している人が、あなたの管理区域の転出に気が付く場合もあります。あなた以外の人が転出に気が付いた場合でもリスト記入ができるようにしておきましょう。

(2) 転入グッズを準備する

 転入時期は新聞社としても部数の変化が大きい時期です。したがって、営業マン・レディーが転入してきたお客様に声をかけやすいように、どこの新聞社でも転入キャンペーンや転入グッズを準備しています。これを有効に使って営業をします。転入グッズの主なものは以下のとおりです。

② パトロールと情報収集

 (1) パトロール

 転入時期となる3月中旬から4月中旬の間は、集中して管理区域のパトロールをしましょう。特に週末は転入してくる可能性が高いので、1日に何回かパトロールします。できれば朝・昼・夕方の3回は回りたいものです。朝と昼は、引越と遭遇する可能性があります。夕方以降は、空家・空部屋に電気が付いていれば引越してきた可能性が高いはずです。

 もちろん朝刊配達時や夕刊配達時もパトロールを意識します。代行で配達する人も意識してください。空家だったところに自動車が駐車してあったり、表札が出ていたり、カーテンが付いていたり、意識していれば転入に気付くことができるでしょう。

(2) 情報収集

 転入情報を集めるのも有効です。ご近所の方、集合住宅の管理人さん、町内会長さん、不動産業者などから情報を集めましょう。もちろん個人情報ということで、教えていただけない場合もありますが、普段からこういう方達と世間話をしたりする「あいさつ訪問」をきちんとしておけば、こういうときに役立ちます。差し支えない程度の情報は提供していただけるはずです。

 また、転入してくる前に情報を教えていただける場合もあります。信頼関係が出来ていれば、引越してくる日にちや年齢がいくつくらいか、家族構成など貴重な情報を聞くことが出来るかもしれません。

③ =引越してきました= さあ、訪問しましょう!

 「明かりがついている」「自動車が駐車してある」「表札が出ている」=転入です。すぐに訪問しましょう。いつでも訪問できるように「転入グッズ」は携帯しておきます。

 訪問の流れは以下のとおりです。

 断られても落ち込まないでください。断られてからが営業の始まりです。あなた自身で工夫をして契約に向けて頑張りましょう。

④ =引越し中です= どうしましょう?

 引越し中に出くわしました。どうしましょう。忙しそうなので後で出直す⇒×です。

 引越し中なので忙しいのはわかっています。お客様の気持になって長話はしないで話は簡潔にします。強引に話をして断られるのが最悪です。再度訪問できる約束が出来ればOKです。できれば、日時まで約束できれば最良です。

 一番やってはいけないのが、忙しそうだから後で来ようと考え訪問しないことです。せっかく新聞を読もうと思っているお客様で、どこに連絡をしたら良いかわからないのかもしれません。また、声かけをしなかったために、その後に訪問した他紙と契約をしてしまうかもしれません。とにかく勇気を出して声かけをして下さい。そして、訪問したという足跡を残して下さい。連絡先の入ったチラシやメッセージカードなどをお渡しする、またはポスティングしてきてください。