新聞営業ハンドブック

新聞営業ハンドブック2020を公開します!

新聞営業ハンドブック2020=第5章《お客様に合わせた営業》

1 お客様を分類

2 新聞を読んでいないお客様への営業

3 他紙を読んでいるお客様への営業

4 取扱紙を読んでいるお客様への営業

1 お客様を分類

営業対象となるお客様を分類してみましょう

 新聞の営業と一言で言っても色々あります。たとえば、現在、新聞をまったく購読していないお客様への営業。自分の取扱っている新聞は購読していないが他の新聞を購読しているお客様への営業等々があります。まず、お客様をおおまかに分類してみましょう。

 

① 現在新聞を読んでいないお客様

現在、新聞をまったく読んでいないお客様にも、下記の2種類のお客様がいらっしゃいます。

(1) 新聞(取扱紙)を過去に一度も購読した事がないお客様

(2) 過去にあなたの販売店が取扱う新聞を購読した経験があるお客様。また、購読していない期間によって下記ア)、イ)に分けてみます。

 ア) 13ヶ月以上購読していない

 イ) 1年以内に購読を止めた

 

② 取扱紙以外の新聞を購読しているお客様

現在、あなたの販売店が取扱っている新聞以外の新聞を購読しているお客様にも、下記の2種類のお客様がいらっしゃいます。

(1) 今まで一度も取扱紙を購読した事がないお客様

(2) 過去に取扱紙を購読したことがあるお客様。また、取扱紙を読んでいた時期によって下記ア)、イ)、ウ)に分けてみます。

ア) 13ヶ月以上前に購読していた

 イ) 1年以内に読んだ事がある

 ウ) 取扱紙と他紙を交替で購読する

 

③ 現在、取扱紙を購読しているお客様。なお、お客様の中には購読契約期間が決まっているお客様と決まっていないお客様がいます。

48頁の①②③のお客様を図で示すと下記のとおりです。細かく分類されたⒶⒷⒸⒹⒺⒻⒼⒽⒾそれぞれのお客様ごとに行う営業内容は異なります。次頁以降で詳しく説明します。

2 新聞を読んでいないお客様への営業

新聞に興味をもってもらいましょう

 現在、どの新聞も読んでいないお客様を「無購読(むこうどく)」または「無読(むどく)」といいます。

 上記のようにお客様を3つに分類できます。ⒷⒸは新聞を読んだ経験がある方なので、ある程度新聞のことはわかっています。しかし、Ⓐのお客様は読んだ経験が無いので、新聞営業の中では最も難しい営業になるでしょう。

 

Ⓐ 購読経験の無いお客様への営業

新聞の良さや必要性を知っていただいて、購読をしてもらうことが目標です。新聞がお客様にとってどのように役立つのかを営業の中で理解していただくという作業になります。しかし、一度も購読経験がないのですから、新聞の読み方すら知らないかもしれません。社会人なのか学生なのか、年齢はいくつか、仕事は…、などによって、読み方や新聞の良さの伝え方も違ってきます。

 読み方は、第3章2新聞紙面の基礎知識で説明したように、「ページ全体を見渡して見出しを見る」「気になった見出しがあったらリードを読む」「さらに興味を持ったら本文を読む」という全体⇒見出し⇒リード⇒本文という読み方で、短時間で興味ある情報を収集できる事を伝えましょう。時間が無いので読めないというという方にもこの説明で良いでしょう。

 新聞情報が役立つというのは、前述のように年齢や職業によって異なります。第3章5紙面販売とは?を参考にお客様にあわせた記事をお勧めしましょう。学生の場合は、就職活動のために新聞で「希望する業界研究や企業研究をする」「景気状況を知る」「政治経済の動向を知り希望する業界は将来安定かを考える」などを説明します。実際の記事を見せて説明すればより効果的でしょう。

 

Ⓑ 13ヶ月以上前に購読していたお客様への営業

紙面改造でお客様が読んでいた当時の新聞と構成や特長が異なっている場合があります。Ⓐのお客様同様に第3章5紙面販売とは?を参考に紙面販売をしましょう。新聞の読み方については知っているので説明は不要でしょう。

 

Ⓒ 1年以内に購読を止めたお客様への営業

 お客様がなぜ購読を止めたのかを顧客リストを見たり、上司に確認しましょう。その理由に合わせた営業をします。後述する「第8章 現読者維持対策」の章を参考に営業して下さい。

 

ⒶとⒷのお客様と購読契約できた場合「新規契約」と言います。

Ⓒのお客様と購読契約できた場合は「起こし契約」と言います。

前回購読していた期間から1年以上間が空いているかが基準です。

 

※ 「新規契約」の考え方は、新聞社や販売店によって異なります。自分のお店の基準を把握しておきましょう。

 

3 他紙を読んでいるお客様への営業

取扱紙の良さを知ってもらいましょう

 新聞は読んでいるけれど、あなたのお店が取扱っている新聞以外の他紙を購読しているお客様を「未購読(みこうどく)」または「未読(みどく)」といいます。

Ⓓ 取扱紙の購読経験の無いお客様への営業

取扱紙がどんなものかを知っていただく必要があります。現在購読している新聞をずっと読んでいらっしゃる方なので、相当の努力と忍耐が必要になります。種まき⇒育てる作業で信頼関係を築いて紙面販売しましょう。

 

Ⓔ 13ヶ月以上前に取扱紙を購読していたお客様への営業

 なぜ、他紙に変更になったのか気になります。元々他紙の方が取扱

紙を読んでくれたのか。元々取扱紙の読者が他紙に変更になったのか

によって対応が異なります。このお客様も顧客リストや上司に経緯を確認して、こちらに不手際がなかったかを良く調べましょう。その上で第3章5紙面販売とは?を参考に紙面販売をしましょう。

 

Ⓕ 1年以内に取扱紙の購読を止めたお客様への営業

Ⓔのお客様同様に止めた理由を知ることが先決です。その理由に合わせた営業をしましょう。取扱紙に掲載されていない記事が他紙に掲載されていて、その記事が必要という理由であれば難しい営業になります。育てる作業をしてお客様情報をつかんで、お客様の状況が変わったときにすぐに刈取り作業に入りましょう。

 

Ⓖ 取扱紙と他紙を交替で購読するお客様への営業

定期的または不定期で取扱紙と他紙を交替で購読するお客様は、他紙と契約したことにより取扱紙が止まってしまうことがわかった時、新たに結んだ他紙との契約期間の後、ふたたび取扱紙を購読していただけるように、できるだけ早い時期にお願いに行くことが一番重要な作業です。このように、次に他紙を読むことが決まっているお客様と『他紙との契約が終了した後に取扱紙をふたたび読んでいただく契約をすることを「先付契約(さきづけけいやく)」または「先付(さきづけ)』といいます。

※ 契約をした月の翌月ではなく、翌々月以降から購読が開始する契約も

先付け契約と言います。

 

4 取扱紙を読んでいるお客様への営業

取扱紙を読んでいる方への働きかけも大切です

 取扱紙を読んでいるお客様を「現読(げんどく)」といいます。現読のお客様だからといって安心してはいけません。いつ中止になるかわかりません。

Ⓗ 現読で契約期間が特に決まっていないお客様への営業

特別なことがない限り中止にならないと安心してはいけません。お客様の状況は「いつ」「どのように」変わるかわかりません。集金時や情報提供時にお客様と会話をして、状況の変化がないかをつかみましょう。これも営業の一つです。詳しくは、後述する「第8章 現読者維持対策」の章をご覧ください。

 

Ⓘ 現読で契約期間が決まっているお客様への営業

契約期間が決まっているお客様なので、契約期間が切れた後に購読していただけるのかどうかを知る必要が有ります。①他紙との交替読者なのか、②交替読者ではなく、契約延長をしてくれる可能性が高いお客様なのか、③こちらの誠意が伝わらないと契約延長できないお客様なのかを知る必要が有ります。このお客様も普段から面談する機会を作って、早めに契約延長をしましょう。このような契約延長の事を「継続契約(けいぞくけいやく)」または「継続(けいぞく)」といいます。